ウサギのキャラクターの涙が雪に溶けた日

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終わりの始まり

初めて会った日を覚えています。突然降り出した夕立に肩を濡らした６月でした。

その次に会った日も覚えています。蝉時雨の７月でした。

今日の事もこの先、私は覚えているでしょう。

失恋ウサギ

１１月の寒い夜、震えていた私に彼は自分のマフラーをかけてくれました。
どこか物憂げな彼の横顔に、私の想いは確かなものになりました。

アナタには不釣り合いと他の誰かに笑われてもいい。
私は彼の隣にいたかった。愛してほしいと願ってしまった。

朝から曇り空の１２月。繋がらない彼の電話。
私は彼に会いたくて、借りていたマフラーを巻いて家を飛び出しました。

降り出した雪の中見たものは、私の知らない表情をしている彼でした。
行き交う人ごみの中、繋いだ手の先は私じゃありませんでした。

遠ざかる彼の姿に声をかける事はできませんでした。

煙草を吸う仕草が好きでした。
たまに見せる笑顔が好きでした。
いつだってアナタの事だけを見てきました。

私はアナタの二番目ですか？
あの子の代わりなんですか？
あのくちづけは偽りですか？
あの言葉は偽りなんですか？

水溜まりになった雪に映る、苦笑いを浮かべた自分の顔。
私は、返せなかったマフラーと二人の写真に火を点けました。