アパレル会社社長村松さんのキャラクター

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アパレル会社村松社長のキャラクター

某雑居ビルの５階には(株)ムラマツの表札が。

どこにでもありそうな会社。

ここの会社は手編みのマフラーやセーターを中心に製造しており、
「あたたかい温もり世界へ」という理念で世界進出を視野に入れて活動しているとのこと。

今日3社目の面接会場

学生Kは就職活動を始めて半年。
これまで50社以上の会社を受けるも内定をもらえずにいた。

今日はよくわかんないけど、たまたまエントリーできた(株)ムラマツというところで面接だ。
どうしよう。午前に２社受けて心も体もヘトヘトだ。しかも(株)ムラマツのこと何も調べてきてない。まあいいや。どうせここも落ちるんだろ。

「ピンポーン」

「はい、中へどうぞ」

そこにはサングラスをかけた60代くらいのおじさんが立っており、なぜか片足で容器のフタみたいなものを踏んでキメていた。

「では、聞くが、今わたしが踏みつけているものは何だ？」
おじさんがそう口を開いた。

おお、いきなり気になっていたことを聞いてきた…。
あ、そうか。多分これは俺の頓知が試されているんだな。アドリブを聞かせて、どんなことにも受け答えできるような対応力、順応力を見ているんだ。その問題を出すために容器のフタみたいなものを踏んでいたのか。

「えっと、世界のあらゆる邪悪な心…嫉妬…ねたみ…独占…破壊…支配… 。つまり世界を悪くする根源を踏み潰し、社長は妬み苦しみのない爽やかで平和な世界の実現を考えていらっしゃるのでは？」

「違う。これは容器のフタだ。」