キャラクター制作「CHARAC」 > キャラクター図鑑 キャラペディア > 動物 > 社長がフクロウのキャラクターと化した日
2014.03.27(Thu) 動物
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「社長、A社の企画ですがこの提案でいこうと思うのですがいかがでしょうか?」
朝の部内ミーティングが終わると、今日営業に向かう取引先の案件の資料を持って俺は社長室を訪れていた。
デスクに座った社長は書面に目を通した後、ゆっくりと顔を上げた。
「内容は悪くない。勝算は?」
「今回こそ大丈夫です。経費の面で突っ込まれる事を想定してそれに対するトークも自分の中では…」
話の途中、社長の目つきが変わった。
「君は前回も同じような事を言っていたね。内容は良いのに先月も今月も結果が出ていない。何が足りないと思うかね?」
10秒ほど考えた俺は震える小バンビのような声で答えた。
「お客様に伝わる的確なクロージング力…ですか」
「そうじゃないんだ、分かるか山田君。ユニークさだよ。君はマジメだがユニークさがない。それじゃあ人の心は掴めない」
「もっと面白い事をトークに交えるという事でしょうか…」
「君にはもう後がない。今日は私もA社に同行しよう。私の営業を見せてやる。」
これには俺も驚いた。社長が同行なんてこの案件決まったも同然だ。
安堵の表情を浮かべた俺の前で、社長は何やら机をあさっていた。そしてある物を取り出した。
「え…」
それを見た俺はフリーズした。
「何をしている、早くかぶれ。いくぞ、いざ戦場へ」
「はっ、はい!」
俺は、なんの躊躇もなくフクロウのマスクをかぶり部屋を出た社長を追った。
渡されたスズメのマスクを抱えて。
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