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2014.03.27(Thu) 人物
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耳につく着信音で目覚めた。時刻は正午をまわったところ。
店のソファーからゆっくりと体を持ち上げ、隼人と表示されたわめき散らす携帯の画面をスライドさせた。
「あっ星夜さん、おはようございます!聞いてください!ミサが見つかりました!今から店連れて行くんですけど星夜さん今どこっすか!?」
ミサ…あぁ売り掛け200万くらいかけて飛んだ女か…
「店にいる。早くこいよ」
俺は去年の秋からこの店の代表を任された。この業界に入って1年という異例のスピード出世に俺を煙たがる連中も多いがそんなザコに用はない。俺が目指すのはこんな小さな世界でどうこうする話じゃない。
俺には「力」がある。人の心が見える絶対的な力が。
「痛いってば!逃げないから離して!」
「うるせぇ!さんざん逃げ回ってたくせに信用できるか!」
30分後、もつれ合いながら二人の男女が店になだれ込んできた。電話をよこした隼人とミサだ。
ミサはソファーで煙草を吸いながらその様子を傍観していた俺に気付き、泣き言のように言ってきた。
「ねぇ星ちゃん、お金は払うよ?でも今はないの。また夜の仕事戻るつもりだからもう少し待って?ね?」
俺にはこの女の心が見えていた。どうやら男がいるらしく、そいつとこの界隈を離れるつもりらしい。
わざとらしい演技ご苦労様なことだ。
「そんな仕事もう戻る必要ねぇよ。それよりいい仕事があるんだ。それ紹介してやるからやれよ。下手すりゃうちに掛けた金の倍くらい一晩で稼げるかもな」
「えっ…」
これは正直な反応だな。金の事となると目の色変えやがって。下劣な女。
「…どんな仕事なの?」
ゆっくりと煙草の煙を吐き出しながら俺は僅かに口元を緩ませた。
「ギャンブルだよ。結果が見えているね」
俺の言葉を聞いた隼人の表情が強張った。考えている事は読まなくても表情を見ただけで分かる。
「仕事は明日の24時から。20時にこの店に来い。詳しい事はその時話す。今日は帰りな」
「…分かった」
ミサが店を出ると隼人が表情を変えぬまま俺に聞いてきた。
「…いいんですか?星夜さん」
「あいつは来るよ」
「いえ…そうじゃなく…あの女も沈めるんですよね…?」
「はぁ?何言ってんの?同情?優しいなぁ隼人君は!あんな女どうなってもいいんだよ。今はサンプルが欲しい。だからお前も協力しろよ?信頼してんだからさ」
俺は笑いながら店を出た。薄暗い店に馴れた瞳に春の日差しが差し込み目を細める。
これはすべて俺の計画の序章だ。利用できる物はすべて利用する。
「もしもし、あぁ星夜です。…えぇ、今から伺います。明日入れるお客が決まったので」
さて…準備に取りかかるか…。
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