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2014.04.17(Thu) 人物
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彼の名前はアキラ。この地域一帯の暴走族を統括する筋金入りのワルだった。
彼は悪い事なら何でもした。窃盗、暴行、クスリ…、警察も彼の悪事にはほとほと手を焼いていた。
彼が17歳の時、ある事件が起こる。
いつものように昼間から盗んだバイクを走らせていた時、一人の老人をはねた。
老人は70過ぎの女性、頭を強打し脳挫傷による即死だった。
彼にとっては不幸中の幸いなのか、彼女は一人身で遺族はいなかった。
彼に下された判決は、懲役8年。余罪なども含めこの年数だ。改正されたとは言え少年法という法律は本当に歪んだ法律だと思う。
しかし、彼は少年院の中で生まれて初めて罪悪感というものを感じていた。本当に取り返しのつかない事をしたと…。
被害者の遺族がいない事によって、彼は誰からも責められる事がない。それが逆に彼の心の重みとなっていた。
「誰からも看取られず、自分を殺した相手を責める人もおらず、世間ではただの事故として幕を閉じた彼女の70年の人生…終わらせたのは俺の軽卒な行動…」
8年後。出所した彼が最初に向かったのは、被害者が一人で営んでいた「九べぇ」という八百屋。当然、今はもう取り壊されて雑草が生い茂った空き地になっている。
次に向かった先は被害者の墓。遺骨の引き取り手がなかった彼女は役所が運営する共同墓地に眠っていた。
「九べぇの名をお借りします…」
線香の煙が漂う中、墓の前でそう呟いた。
「へいらっしゃい!今日もいい野菜入ってるよ!」
「おたくの野菜は本当においしいからねぇ。そう言えばもう10年以上も前だけどここに昔あったのも八百屋さんだったよねぇ。あなた、あのおばぁさんのお孫さん?」
「いや違うよ。でもちょっと縁があってね」
「そうなの。あっ、あと大根もちょうだい」
「あいよ!」
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